エニアグラムで本当の自分を知ろう!

メンタルトレーニング

1 エニアグラムとは

「自分の事は自分が一番よくわかっている!」
果たしてそうでしょうか。「目は目を見ず」という言葉があるように、実は一番自分自身のことをわかっていないのが自分だったりします。少なくても客観的に自分を見ることができる人は、あまり多くいません。客観的に自分を見ることができると思っている人も、正しく自分を見れていない可能性もあります。

自分の本質を知りたいという人には、本当の自分を客観的に知る方法「エニアグラム」をオススメします。「エニアグラム」は、人を生まれがらの気質によって9つのタイプに分類し、各タイプが本来持ち合わせている可能性や特徴を明らかにしてくれます。

エニアグラムは、ビジネス、コーチング、カウンセリング、教育など、さまざまな分野で活用され、世界中で大きな反響を呼んでいます。私が知る限り、スポーツでエニアグラムを取り入れているチームはまだないと思いますので、ぜひチームビルディングやチームメイト同士の信頼関係を構築するうえで活用してみてください。

エニアグラムには、自分の性格タイプを知るための詳細な診断テストがあります。エニアグラムは、自分が思い込んでいるよりも正確で客観的な診断ができるのが特長です。

自分を客観的に診断することによって、まだ気づいていない自分の可能性やストレスに対する効果的な対応法などもわかるようになります。また自分の性格分析をチーム内で共有することで、チームメイト同士の理解にもつながりチーム力アップも期待できます。チームワークを必要とするパスを繋ぐようなスポーツチームにとっても十分に活用可能です。

2 エニアグラムの9タイプ

では、エニアグラムが定義する9個のタイプを具体的に見てみましょう。

【タイプ1】改革する人
改革タイプの人は、高潔で理想が高く、常に物事を改善しようとします。
倫理的・良心的で善悪をしっかりと分ける傾向にあります。
人に教えることに長けています。
常に現状を改善しようと努めます。

その反面、完璧に何でもこなそうとして、間違えてはならないと思い込み、ミスする人を否定的に見てしまいます。
規律を重んじ上昇志向が強いが故に、周りに求めるレベルも高くなって、批判し過ぎたり逆に周りから批判されることもあります。
威圧的に反論を抑えるようとする時は注意が必要です。
また自分の限界を超えて無理する傾向があります。
一人で何でもやろうとせずに、周りの力を借りましょう。

【タイプ2】他人を助ける人
人助けタイプの人は、思いやりがあり、人間関係を大切にします。
共感力が高く誠実で心が温かく、誰にでも友好的かつ寛容的です。
自分を犠牲にしても人に尽くすため感傷的になりやすく、人と密接な関係を求めます。
それによって自分が必要とされていると思われることに喜びを感じます。

しかし他人のために何かをやってあげることが多くなるので、自分自身のケアを後回しにしてしまいます。
自分より他人のために動き過ぎて、自分を大切にしないことがあるため、他人を思うのと同じく自分も大切にするようにしましょう。

【タイプ3】達成する人
達成タイプは、向上心と自信に満ち溢れ、エネルギーがあります。
他の人たちによい影響力を与え模範となります。

しかし結果が出ないとすぐに落ち込んでしまい、スランプから中々脱せなくなってしまう傾向にあります。
人にどう思われるかを気にすることが多くなったり競争心が旺盛になり、人を傷つけてしまう時があります。
結果ではなく努力したプロセスも評価できるようになりましょう。

【タイプ4】個性的な人
個性タイプは、内省的かつ繊細な性格でありながら、時には自分をさらけ出して感情を表します。
気分にムラがあり自意識が強くなる時もあります。
傷つきやすく、自分の欠点も自覚しているので、人から距離を取りたがります。
また、人との距離感を保ちたいがために、普通の生き方をしたくないという思いも持っており、創造的で自己刷新を繰返すことができます。

一方、人を纏めてリーダシップを発揮するのが苦手です。自分の視野でしか見えなくなりがちなので、空気を読んだり周りに合わせたり誰かの意見に共感することを忘れないようにしましょう。

【タイプ5】調べる人
調べる人は、行動するより考えたり調べることに時間を費やし、常に注意を怠らず洞察力を持って理性的に判断します。
将来を見通そうとする意識が高く、新しい見方で周りを見ることができます。
集中力と自立心があります。

一方で考えすぎてしまう結果、様々な思考に駆られるため神経が張りつめ、時には孤立し虚無的になりやすいので注意が必要です。
考えすぎて不安になって行動できなくならないように、悩むならまずは行動してみるようにしましょう。

【タイプ6】忠実な人
忠実な人は、安全を第一に考え何にでも真剣に取り組みます。
そのため周りから頼りにされ、よく働き、困っている人も助けながら責任を果たそうと頑張ります。

しかし、慎重になり過ぎてしまい、他人の反応に敏感になりがちです。
それ故に上手くいかないと反対する人に攻撃的になったり、自信を失って不安な心を抱えやすくなります。
真面目になりすぎて余裕がなくなる時は、自分の考え以外にもいろいろな考えがあることを認めるようにしましょう。

【タイプ7】熱中する人
熱中する人は、多才で常に新しい刺激を求め、いつも楽天的で元気に振る舞います。

いろんなことをやろとし過ぎて、注意散漫となって協調性が欠けるところがあります。
気がついたら疲れ切ってしまうこともあります。
色々なことをやろうとする反面、一つの事を突き詰めることができずに中途半端に終わってしまうこともあります。
まず一つのことに没頭するようにしましょう。

【タイプ8】挑戦する人
挑戦する人は、パワフルで自信があって自己主張が強く、決断力もあります。

個人プレーに走る傾向があるため、チームプレイやチームマネジメントが苦手で、独りで結果を出そうとします。
他人に頼らない分、他人に頼られたり親しくされるのが苦手です。
少しだけでも周りのことを気遣い、調和するように心がけましょう。

【タイプ9】平和的な人
平和的な人は、いつもゆったりとした心構えでいます。
控え目な性格で、人を信頼し周りとの調和を大事にします。

一方で、他人との確執を避けるために自分の気持ちを犠牲にします。
変化も嫌いで現状維持を好みます。
平和を保つために費やす時間や労力そしてお金には、無頓着になる傾向にあります。
先のことまで想定して現実的なことを考えるようにしましょう。

3 本当の自分を知ろう

自分のタイプを理解すると、自分の可能性や自分の本質を知ることができます。
自分の本質とは以下の3つを言います。

     ・ 自分はどういう役目が向いているのか
     ・ 自分は何をしたら良いのか
     ・ これからどのような行動をすればいいのか

エニアグラム診断で客観的に自分を見つめ直すと、「本当に今のままのプレースタイルでいいのか」「自分に合ったプレーができているのか」と悩むアスリートは、自分に合ったプレーを再度考え直すキッカケにもなります。またエニアグラム診断の結果をチーム内で共有すると、チームメイトのこともより深く理解できるようになります。

4 エニアグラム自己診断テスト

自分をよく知るためには、エニアグラムの自己診断テスト(QUESTエニアグラム簡易分類テスト)がオススメです。
エニアグラムは、自分だけでなくチームメートを理解したり、チームビルディングをする時にも使えます。

自分を知ったうえでチームメイトのことをよく理解すると、チーム全体での自分の役割やチームメイトとの接し方などを工夫してより強いチームづくりができるようになります。エニアグラムを使って、自分やチームメイトのタイプ、長所、短所、注意点をしっかりと理解することで、ワンラックアップのチームとなります。

<診断テスト>
時間は約5分、正確性は70%の確率で自分のタイプがわかります。

【質問1】

    私はかなり独立独歩で、自己主張する傾向がある。人生は正面から立ち向かうと上手くいくと思っている。自分自身で目標を設定し、直接関わって事を為し得たい。じっと待ちの状態で受け身的な姿勢は好きではない。大きな目標を達成し、周りに影響を与えたい。必ずしも人と対立しようとはしていないが、意見が食い違うとつい自分の主張を貫いてしまう。自分が何を求めているか理解しており、その目標達成のためには努力を惜しまない。よく学び(働き)、よく遊ぶがモットーである

    私はおとなしいく、自分ひとりでいることに慣れている。普段から人とのつき合いにおいて、周りから自分り関心が向かないように心がけている。自分から強く自己主張することはあまりない。人と競争することを心地よく思わない。それでも常に活動的であるべきで行動力が大事と思っている。

    私はきわめて責任感が強く献身的な性格の持ち主である。やると決めたことをやれなかったり他人からの期待に応えられないと、とても嫌な気持ちになる。困った人がいればいつでも助けてあげたいと思うし、人から頼られたいと思っている。そのため、人のために大きな個人的犠牲を払う傾向にあり、自分自身のことには十分時間を使わないことが多い。

【質問2】

    私は楽観的で、最終的に物事は上手くいと思っている。
    私には熱中できるものや没頭できるものがある。
    人と一緒にいたり、ほかの人が幸せになる手助けをするのが好である。
    自分自身の幸福を人と分かち合いたい。
    楽観的ゆえに、自分自身の問題の対処が遅れてしまうことが時々ある。

    私はよく感情が行動に出てしまうことがある。自分の機嫌が悪いと周りがすぐに気づいてしまう。
    人といると身構えてしまい、見かけよりも繊細な心の持ち主である。
    人との関係において、自分がどの立ち位置にいるか、そして誰に何を頼れるかをしっかりわかっておきたい。
    自分が何について怒っているか態度をみてわかってほしいし、反応してほしい。
    何をすべきか他の人に言われたくないし、やるべきことは自分で決めたい。

    私は自己抑制でき、論理的に考えることができる。
    自分のしょう時期拿気持ちに向き合うのを心地よく感じない。
    自分は効率的・完璧主義的で、チームワークを重んじるよりも自分自身だけで動く(働く)ことを好む。
    何か問題が起きたり人間関係で葛藤があっても、自分の感情をあまり持ち込まないようにしている。
    嫌なことがあって自分の感情を害されても、冷静を装い何も無かったように振る舞う。

5 QUESTエニアグラム簡易分類テストによるタイプ診断

選択した二つのアルファベットの組み合わせから、二文字のコードを確認してみてください。
たとえば、質問1からCを選び、質問2からYを選ぶと、CYとなります。

自分の組み合わせがわかったら、下の表から自分のタイプを探してみてください。

    組合  タイプ
    AX    7    熱中する人:元気。器用。衝動的。
    AY    8    挑戦する人:自信がある。決断力がある。傲慢。
    AZ    3    達成する人:適応力がある。大望をもつ。イメージ重視。
    BX    9    平和をもたらす人:受容的。安心感がある。現状に甘んじる。
    BY    4    個性的な人:直感力に富む。美学をもつ。自己陶酔的。
    BZ    5    調べる人丿同察力がある。革新的。傍観する。
    CX    2    助ける人:思いやりがある。寛容。所有欲が強い。
    CY    6    忠実な人:人を引きつける。責任感が強い。防衛的。
    CZ    1    改革する人:良識的。高潔。自己抑制的。

まとめ

以下に挙げた3点を念頭に置きながら、ぜひエニアグラムで出た結果をチームビルディングに取り入れてみてください。

    1 自分がどのような性格か
    2 自分の性格がどのように試合で作用するか
    3 チームメイトを理解するにはどうすればよいか

エニアグラムで自己分析しチーム内で共有すると、より強いチームになります。
またなぜ試合に勝てないのか、その原因を一人ひとりの働きにまで落とし込んでいくと、きっと勝てるチームに生まれ変わるキッカケになるはずです。

※このブログは以下の書籍を参考にしました。
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