【メンタルトレーニングの基本】セルフトークの効果

メンタルトレーニング

セルフトークとは

メンタルを強く保つには、自分自身に言い聞かせてるセルフトークが効果的です。プロのアスリートがプレー中にボソボソと呟いている光景を見たことがある人も多いと思います。プロのアスリートたちが試合中にやっているその行為がセルフトークです。セルフトークは、メンタルを強化するうえで重要な思考と行動をコントロールするうえで大切なスキルです。自分自身に話しかけることは簡単にできると思いがちですが、継続的なトレーニングが必要です。

セルフトークはメタ認知の機能を活発化させます。メタ認知とは、「認知を認知する」「知っていることを知っている」ことを意味します。つまり、自分を冷静な心で客観的に見る能力です。客観的に自分自身を観察できるもう I人の自分が、今の自分の思考と行動に問題があると、自分自身に言い聞かせて適切にコーチすることを可能にするのがセルフトークです。

セルフトークの方法

セルフトークでは、「よし、○○(自分の名前)は、前にいるディフェンスをかわして、これから得点するチャンスがやって来る!」「この場面、○○(自分の名前)が得点するようになっている」など、自分が望むことを言葉に出して実況中継のように言うのが効果的です。そうすると、今、目の前にある自分がやるべきことだけに焦点が絞られ、フローの状態に入りやすくなります。自分が映っている鏡を想像しながら口に出すと、より客観的に自分を見つめることができメタ認知機能が活発化します。
セルフトークでは、以下の3点に注意します。

  • 3秒以内の短いフレーズ
  • 具体的な内容
  • 気持ちが高ぶるような実況中継

セルフトークでは、「○○しない」という否定形は使わないようにしましょう。否定形を用いると、「逆説的思考侵入効果」 が働いてしまいパフォーマンスが下がってしまいます。すべきでない事ではなく、自分がやりたいことからつながる行動目標を口に出して言うほうが、目の前に或る自分のやることが明確になります。

いろいろな状況によって自分に言い聞かせるフレーズを自分なりに持っておくことをおススメします。そのためには日頃の練習から状況に応じたセルフトークを実践することが大事です。以下の状況時に、自分なりのセルフトークを前もって決めておきましょう。

    緊張したとき
    不安になったとき
    調子が悪い時
    監督・コーチに怒られたとき
    チームメートと息が合わないとき
    ミスをしたとき、逆転されたとき

セルフトークの習慣化

セルフトークの効果は 1 0 0 0回ぐらいから出てきます。100回とは「1日30回を 3カ月続ける」ペースです。何でも習慣化するまでは2週間、効果が現れるのが3か月を過ぎてからですが、50%の人が2週間前に止めてしまい、90%の人が3か月経つ前に継続するのを止めてしまいます。なので、結局全体の10%の人たちしか良い成果を上げることができません。つまり、3か月続ければそこは完全にブルーオーシャンの世界で、続けてきた人はそのスキルを誰よりも独占することができます。

セルフトークは、行動と同時に言うとさらに効果が上がります。例えば、軽く跳躍しながら「よし、これから前のディフェンスを抜くぞ」、肩を回しながら「得点するぞ」「胸を軽く拳で叩きながら「さあ、こい」と言ったふうに、行動と言葉を同時に言うことをおススメします。「ブツブツ呟くのは恥ずかしいかもしれませんが、その分何倍もメリットがあります。是非、メンタルトレーニングの一環としてセルフトークをやってみてください。