無(最高の状態)になる方法

マインドフルネス

人間の苦しみは第二の矢が原因

人間の苦しみは、自分自身に「二の矢」を放ってしまうことが原因です。一の矢は全ての動物でも感じます。これは生きていく上で必要な苦しみで、この苦しみだけは避けることはできません。しかし人間はそこから自分自身に第二の矢を放ちます。

現在ある事実だけでなく過去や未来にまでどんどん広がっていきネガティブな感情が次々に浮かんできます。この「二の矢」が人間を苦しめる根本的な原因になっているのです。

詳しくはコチラ👇
https://note.com/enin/n/n137521195159

なぜ二の矢を放つのか?

私たちの脳は物語製造機です。人間は現実を認識する時、見たものをそのままの認識するわけではありません。私たちは目や耳などから受けた情報を瞬時に物語にしてしまいます。人間は自分を認識するためにも物語を作ります。だから脳内には自己に関わる物語が数多く収められています。例えば「私は几帳面な人間だから仕事をしっかりこなす」など、自分はどんな人間か、その物語が脳内にインプットされています。

「自己」とは、物語でできていると言っても過言ではありません。これによって人は私は私だという自己の意識を保つことができるのも事実です。と同時に厄介なのは、そこに収められている物語が全てポジティブなものばかりではないということです。しかもそれには実際にはない虚構の物語も含まれています。「私は不幸だ」と実際にはそうではないのに思い込みによって虚構の物語を作り出し、それをあたかも現実のように認識してしまいます。「自分は人より劣ってる」と考えたとき、そのネガティブな物語が人の苦しみを生み出してしまうのです。

例えば会社の上司が少しそっけなかったら「私は嫌われているという間違った物語を信じ込んでしまう人がいます。このように考える人は、「私のことが嫌いだから冷たい態度をとる」と実際にはありもしない苦しみが生まれ、「何か悪いことをしたのだろうか」「いつから嫌われていたのだろうか」とネガティブの気持ちがどんどん頭の中で膨れていきます。

苦しみを更にこじらせる人

苦しみをこじらせる人は全て自分ごとに捉えてしまいます。苦しみを感じやすい人は、他人の物語を全て自分と結びつけて考えてしまう傾向にあります。

例えば両親が喧嘩をしている、同僚がイライラしている、という場合、父が約束を守らなかったことに母は怒っているのかもしれないし、同僚は二日酔いだから朝不機嫌だったかもしれません。しかし苦しみをこじらせやすい人はこれらを全て自分事として捉えてしまいます。自分のせいで喧嘩しているのかも、自分が何かしてしまったのかも、と物語を全て自分と結びつけて考えてしまうのです。

自分とは関係のないことにまで自分のせいではないかと自己を持ち出してしまうと、ちょっとした変化でも反応してしまいます。これは DMN(デフォルトモードネットワーク)という神経回路が活発になり、私のせいといったネガティブな物語を生み出すことが分っています。

実際にうつ病患者はDNNの活動量が大きいそうです。つまりDMNが活発になってしまうと人間は自己に関するネガティブな物語を生み出す状態になってしまい、自分に「二の矢」を放ち苦しみが増すというわけです。

苦しみを止める方法

苦しみを止めるには、物語の発生を止めることが得策です。人間は瞬時に物語を生み出してしまうため、なかなかその場で止めることができません。物語を見出す直前に止めるのは不可能です。さらに厄介なことは、私たちはそもそも物語に動かされているという事実に気づいていません。

例えば「私は人よりも劣っている」という物語は自分で勝手に思い込んでいるにも関わらず、これを絶対的な現実だと思い込んでしまいます。私たちは、このような間違った物語に動かされているということに気づくことができません。そしてそこから苦しみが生まれているということにももちろん気づいていません。

    人間は物語の自動発生をピンポイントで止めることができない。
    人間は物語によって行動させられている。この事実を認識できない。

この二つの問題を解決できれば、苦しみを和らげることができます。その方法は、大きく分けて二つはあります。

一つが、思考を停止させることで物語の製造機能そのものを止めてしまう、と言う方法です。人は何かの作業に意識を集中すると、物語の生成が停止するということが分かっています。ある研究では、健康な男女にONEと何度も発音させたところ、DMNの活動量が下がり、自己にまつわる物語の量が減る傾向が認められました。

このように何か別のことに意識を集中させることが有効です。この停止のスキルを手に入れる方法が「止想」です。これは何か別のことに意識を集中させるための方法です。まず意識を向ける対象を決める。一番簡単なのは自分の呼吸に意識を向けることです。息が鼻を通り抜ける感覚に注意するとか、お腹の膨らみ縮みに注意するとか、なるべく意識を向ける対象を細かく決めるのがポイントです。楽な体勢になって腹式呼吸をしつつ、自分が選んだターゲットに意識を向けます。これを続けだけ止想できます。

ちゃんとできてるのか考える必要はありません。ただ決めたターゲットにひたすら意識を集中させます。しばらくすると脳にはいろんな思考が浮かんでくるはずです。その日のことを思い出したり、心配事が浮かんできたりするかもしれません。それによって集中が途切れたら、また意識をターゲットに向け直します。これを始めは5分程度から始めます。だんだんと意識がそれる回数が減ってきたら時間を伸ばしましょう。これを続けるうちにだんだんと停止のスキルが鍛えられていきます。

次に観察についてです。これは自分の脳内に浮かぶ物語りをじっくりと見つめる作業のことです。過去の失敗にまつわるイメージや将来の不安などの自分の中にあるネガティブな物語を、第三者目線で観察し続けます。Johns Hopkins大学のメタ分析では、自分の止想や感情を観察するトレーニングを3週間続けると、不安と抗うつ状態には0.3の効果があるという結果がでました。0.3ポイントは薬物治療に相当するレベルです。この観察という方法は、薬を使わずに効果を得られます。観察のトレーニングをすることで脳の構造が変わるという報告も増えてきています。ローマ大学などが行ったメタ分析では、こう結論づけられています。

    観察のトレーニングによって脳の機能的構造的な変化が起きる。特に自己認識や自己制御を含む自己言及プロセスに関わる領域や注意事項機能記憶形成に関わる領域が変化する。

これはつまり観察のトレーニングには脳内の私に関わる領域に変化を起こすということです。そして最終的にはメンタルの改善や集中力や記憶力の向上が見込めるということです。

観察の手法の一つである観想という方法を紹介しておきます。
まずはリラックスして座り、どの対象にも集中せずに意識を彷徨わせます。そうしているうちに意識はどこかに行き着きます。頭のかゆみに注意が向かったたら、かゆいと観察します。そして他のことに注意が向かったらまた観察します。家の外を走る車の音に注意が入ったら今音に注意が行ったと観察します。この訓練は何の意味があるのかと思ったら、今こんな訓練に何の意味があるのかと考えたと自分が誰か別の観察者になったような気持ちで全ての意識を観察しましょう。

そのまま決めた時間まで浮かんできた物語全ての観察を続けます。初めはきっと途中で気持ちがそれてしまい、生まれた物語に対して主観的にあれこれ考えてしまうかもしれません。しかし何度か試しているうちに、だんだんと心の迷いが減って、第三者目線で観察できる時間が増えていきます。

まとめ

自己思考感情の一切はどこからともなく現れます。しかし、自己思考感情の一切を放置すれば、やがて消えていきます。こうした意識が少しずつ脳に染み込んでいくと、だんだんと人は脳が生み出す物語に巻き込まれにくくなります。ネガティブな感情や思考は世の移り変わりの一部に過ぎないという事実を心から実感できるようになります。そうなれば人生の悩みから解放されるでしょう。

今まで自己を構成していた要素が、まるで最初から自分とは無関係だったかのような感覚になります。自分の仕事の成果、自分の性格や肩書き、失敗した記憶、そういったものが全て自分とは何の関係もないと感じられるようになります。その段階まで来ると自己の意識はだんだんと薄れていきます。この段階まで来れば自己の意識に悩まされることはもうなくなります。

  1. 苦しみは自己があるから生まれる。
  2. 人間の脳は物語製造機である。
  3. 苦しみをこじらせる人は自分ごとに捉えるからである。
  4. 人間は物語の自動発生を止められない。
  5. 物語に動かされている自分を認識できない。
  6. 物語の製造機能そのものを停止する。
  7. 製造された物語を観察する。
  8. 停止と観察によって自己の意識は薄れる
  9. 苦しみは受けた苦痛ではなく、そこから色々考えてしまうことに起因する。

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