リーダーの条件:自らやって見せる
残念な上司
職場で部下が一番がっかりすることは、上司が盾となって部下を守ってくれない時です。それどころか、自分の身だけを守ろうとする上司がたくさんいます。なぜこんな人が出世するという人も上司にいます。きっとそんなデキない上司でも自分が部下の時には、同じように自分の上司にはがっかりしていたはずです。
やって見せる上司
そこで、今回はリーダーの覚悟とはどういうものか、自らやって見せるリーダーシップを教えてくれるエピソードを紹介します。
昔、インドのハラナイ国に、鹿のアクシス王が率いる鹿の群が平和に暮らしていました。
ところがある時、人間の国王の命令で鹿狩りが始まりました。
そこで鹿のアクシス王は、このままでは群れが全滅してしまうと考え、国王に哀れみを請(こ)うため会いに行きました。しかし聞き入れてはもらえず、逆に毎日一頭づつ鹿を献上(けんじょう)すると約束させられました。
鹿たちは悲しみながらも毎日クジ引きで城に向かう者を決めました。そしてある日のこと、身ごもったメス鹿がクジで選ばれてしまいました、子供が産まれるまで順番を延期してほしいと、泣いてアクシス王に頼みました。そこでアクシス王は、自ら身代わりになって城へ向かいました。
その経緯を聞いた国王は、自分の行いを大いに恥じました。
「なんと素晴らしい心なのか。私は人間の王などと称しながら、心は畜生(ちくしょう)よりも劣っている。あなたは身こそ畜生と呼ばれながら、その心には真実がある」
そうして国王は、アクシス王に心から感謝し、二度と鹿狩りをしないと約束しました。
世界共通のリーダーシップ
リーダーシップで思い出すが、山本五十六の言葉です。
「やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば、人は動かじ。 話し合い、耳を傾け、承認し、任せてやらねば、人は育たず。 やっている、姿を感謝で見守って、信頼せねば、人は実らず。」
まず自らやって見せるというリーダーシップは、世界共通なのですね。