分ければ分けるほど増える不思議なもの

禅のちょっといい噺

会社が稼ぎ出した儲けのことを「利益」と言います。

この「利益」という言葉は、仏教では「りえき」とは読まずに「りやく」と読み、「他の人々のために善をなし、他の益になる」ことを意味します。

お釈迦様は、「りやく」は自分だけで独り占めせずに他の人に分け与えても減ることはないと、述べています。

お釈迦様の話にこのような一節があります。
「ここに一本の松明があって、その火を数千人に分け合っても一向に減ったりしないように、福もまたその様なものである」

お釈迦様は「良い出来事があったら一人だけで喜んで満足しないで、嬉しい気持ちをみんなで分かち合おう」と言っています。

たった一本の松明の火が、次々と他の松明に火を灯しても、その火元である松明の火は決して消えることがないように、嬉しい気持ちを誰かと分かち合ってもそれが無くなることはありません。

むしろ、あなたの嬉しい気持ちが他の人も嬉しくする、それが続いていくと嬉しい気持ちを持つ人が増えていきます。お金は分ければ減ってしまいますが、嬉しい気持ちは減るどころか人から人に広がります。

松明の火を分かち合うお釈迦様の話で思い出すのが、結婚式で欠かせないウエディングケーキです。ウエディングケーキも夫婦になった二人だけで食べて喜ぶのではなく、おめでたく嬉しい気持ちを、結婚式に来てくれた全員と分かち合うものですよね。

結婚式のゲストの方々と幸せを分かち合うウエディングケーキは、まさに自分だけで幸せを感じるのでなく、他の人と一緒に嬉しい気持ちを分かち合って皆でお幸せな気持ちになろうといったお釈迦様の教えと共通しますね。

嬉しい出来事を皆で分かち合うためには、まずはあなた自身が嬉しい気持ちになることが一番大切です。そして、嬉しい出来事を独り占めすることなく、他の人が同じ気持ちになるように努めることが、仏教で言うところの「りやく」の実践です。