マインドフルネスになるための坐禅・瞑想

マインドフルネス

1 坐禅(瞑想)は、とても簡単

坐禅(瞑想)は、とても簡単です。誰にでもできます。そして、誰でもマインドフルネスになれます。
禅僧や修行僧だけのものではありません。禅寺に行かないとできないものでもありません。

坐禅(瞑想)でやることは、二つだけです。

    1 一つは姿勢を良くする
    2 ゆっくり呼吸をする

たったこれだけです。
姿勢を良くして、ゆっくりと呼吸するだけで、心の安らぎ(マインドフルネス)が得られるようになります。

2 姿勢

坐禅(瞑想)するには、まず背筋をしっかりと伸ばします。
背筋を伸ばそうとすると、顎が上がってしまいますので、イメージとしては、胸を張るという感じです。
そうすると、おへそが少し前に出て、自然と姿勢が良くなります。

姿勢が良くなると、肩の力が抜けて下にストンと落ちます。
私たちは日々生活していると、無意識のうちに肩に結構力を入れて、肩が上向きに上がっていることに気がつきません。
肩に力が入っていると、身体がとても強張っているというか、テンスというか、気が張りつめて身体が常に緊張している状態になります。

姿勢を良くするだけでも相当に身体への負担が減ります。
なので、まずは姿勢を良くすることが大切です。

背もたれに、よっかかるのは NG です。

【姿勢チェックディバイス】
姿勢を正し続けることは、結構難しいことも事実です。ましてや、学校生活や職場では、勉強や仕事に集中していますから、姿勢の状態を気にすることをつい忘れてしまいます。

そこで、姿勢を常にチェックしてくれるディバイスを紹介します。
もし、正しい姿勢をキープできないようであれば、姿勢をチェックしていくれるディバイスを利用してみてくださいね。


【国内正規品/技適認証済】UPRIGHT GO2 (アップライトゴー2) + 交換パッド セット ウェアラブル 姿勢サポート デバイス
このディバイスを使うことで、姿勢が崩れた時などはすぐに意識して姿勢を正せます。

3 坐禅(瞑想)の基本

座り心地が悪いと身体が安定せずに姿勢が悪くなる原因になります。
なので、硬い椅子や固い床に座るのはお勧めしません。
なるべくフカフカの厚い座布団の上か、もし無ければ普通の座布団を二つ折りにしてお尻に敷くといいでしょう。

坐禅をあぐらと勘違いしている人がいますが、あぐらは逆に姿勢が悪くなります。
また正座も膝を悪くしますし、足が痺れると安定して坐すことができません。

一番良い座り方は、結跏趺坐です。

結跏趺坐がむずかしいようであれば一つの足を太ももの付け根まで持ちあげる半跏趺坐がよいでしょう。

(※写真は臨済禅・黄檗禅 公式サイトより)

股関節が固い人は最初は半跏趺坐からやってみてください。半跏趺坐に慣れて結跏趺坐ができるようになってから、しばらくすると手を使わずに足が組めるようになるほど股関節が解れてきます。

そうすると、肩の力がぬけて上半身がほぐれることに加えて、股関節が柔軟になることで下半身の強張りもなくなって、身体全体の緊張がほぐされていくでしょう。

4 目線

よく聞かれるのが、「眼は閉じた方が良いですか?それとも眼は開けていたほうが良いですか?」という質問です。
答えからいえば、眼はうっすらと開ける方が良いでしょう。

理由はいくつかあります。
眼を閉じていたら眠くなります。
また眼を閉じると、自分の外の世界と自分が分断されてしまいます。禅は世界と繋がって悟った内容を実践することが求められます。自分だけ悟って幸せになるのは大乗仏教ではありません。
こうした観点からも眼は閉じないというのが禅の教えです。

5 呼吸

呼吸は、吸うことから始まるのではなく、吐くことから始まります。これは是非知っておいてください。多くの方はまず吸う動作をしますが、はじめに 肺に入っている空気を全て出しましょう。すべて体内にある空気を外に出してからフレッシュな空気を時間をかけてゆっくりと吸っていきます。

修行している禅僧たちは大体40秒から1分に1回ぐらいの呼吸数です。
それぐらいゆっくりと大きく呼吸をすることが大事です。

ただ一般の人たちには難しでしょうから、1分間に3回から5回ぐらいの呼吸数がおすすめです。
呼吸がゆっくりできるようになると、足の裏側から温かくなって来て徐々にそのぬくもりが下半身から上半身へと上がってきます。体温が上がると免疫力が上がりますので、病気になりずらい身体になります。

また呼吸がゆっくりになると、心拍の変動が上昇します。心拍変動は脳にある前頭葉が司る自己コントロール能力に関わってると言われています。瞑想(坐禅)は前頭葉に血流が行き、自分をコントロールする能力(自制心)を司る前頭葉を鍛えることができます。

6 呼吸のコツ

空気を吸うときは、肺が大きく上下に動くような吸い方ではなく、お腹が膨れるような腹式呼吸が良いでしょう。
この時、肺は股の付け根にあるイメージで呼吸すると、お腹が膨れる腹式呼吸ができるようになります。

吐く時も同じです。空気を吐くにつれ、お腹もへこんでいくことを意識してみてください。
もし坐禅中にいろいろな思いや考えが頭に浮かんできて集中できない時は、腹式呼吸を「ひとーつ、ふたーつ、みーつ」と数えながら、呼吸に意識と注意を戻すとよいでしょう。

時間が経つにつれ、身体が慣れてきて肩の力が抜けて自然と姿勢も良くなるでしょう。そうするとさらにゆっくりと呼吸ができるようになるはずです。

7 坐禅(瞑想)時間

禅の修行ではだいたい線香が一本燃え尽きるぐらいの長さが1クールです。線香が燃える時間はだいたい45分ぐらいですけれども、最初から長く座るとそれはとても苦痛になりますからまずは3分ぐらいから少しずつ慣れていって時間を延ばしていくと良いでしょう。

もし3分がしんどいようであれば、まずは1分からでも全然問題ありません。

とんちで有名な一休さんはこう言っています。

    一寸座れば一寸の仏

つまり1分坐禅すれば、その間は仏様になれるということです。

大切なのは、最初は慣れるまでは一回一回は短くてもいいので、ずっと瞑想を続けることです。最初から長くやって三日も持たずに終わるよりは、毎日1分を1ヶ月それを12か月積み上げて1年間続けた方がよほど効果は高くなります。

何を目的にするかにもよりますが、例えば仕事の疲れを癒したり、 目が疲れて仕事の効率が落ちた時などは大体5分ぐらいすると心も力の入った体もリラックスできると思います。

科学的にも証明されています。瞑想を5分間やると化学反応が起こり脳のストレスや心のストレスが解放されます。ですからリラクゼーションを目的とするなら大体5分間すると良いでしょう。

初心者の方が5分以上やると結構辛くなると思います。
5分の瞑想になれたら、少し辛くてもちょっとだけ我慢して10分程度やってみてください。
瞑想を10分以上し始めると、5分間ぐらいできつくなって途切れた集中力が再び戻ってきます。

それでも集中力が途切れても大丈夫です。安心してください。集中力を戻そうとするたびに、前頭葉が鍛えられますので、集中力が途切れて瞑想がうまくいかないと感じている人ほど、実は前頭葉を鍛えることができます。
ですから瞑想中にすぐに集中力が切れるといって諦めずに、頑張ってみてくださ、。集中力が切れば切れるほど、集中力を戻すチャンスも増えるわけですから、むしろその方が前頭葉が早く鍛えられます。

ハーバード大学などの研究では、1日に大体30分ぐらい瞑想すると最も効果が高くなるという結果が出ているそうですが、まずは1分間の瞑想から始めて3分、5分、7分、10分、15分、20分、30分と、少しずつ瞑想の時間を延ばして行ってください。

大体2週間ぐらいで慣れてきて30分ほどの瞑想(坐禅)ができるよになるでしょう。
1日15分を2回に分けてやってもいいですが、できればいっぺんに30分やってみるのがいいと思います。
忙しい人であればあるほど、自分の行動(脳の動き、体の動き、心の動き)を30分間すべて停止すると、ずっと働き続けていているよりも多くのアウトプットが生み出せます。

8 坐禅(瞑想)のすすめ

お寺に来る多くの人々が坐禅(瞑想)に対して半信半疑です。
しかし、その人たちが坐禅(瞑想)が終わって必ず言うことは、「坐禅(瞑想)してよかった」という一言です。
坐禅(瞑想)は、忙しい人であればあるほど、したほうがいいというのがわかります。
忙しくてイライラしてる人や、やる気が起こらず何も始めたくないような人はぜひ坐禅(瞑想)をトライしてみてください。

坐禅(瞑想)によって、「ストレスが軽減され、生産性がアップする」よになるには、短くてもいいのでとにかく毎日続けることです。
坐禅(瞑想)する場所は、お風呂でもいいですし、寝る前でもいいですし、電車やバスの中でも何処でもできます。
新しい一日を始めるのい、、朝いちばんにやる人もいます。

できたら口呼吸ではなくて鼻呼吸をしましょう。
口呼吸はあまり良い事はありません。
例えば口の中が乾いて、喉が痛くなり、その粘膜からウイルスが入りインフルエンザや風邪などひきやすくなります。それと口呼吸すると自制心が下がるという研究もあります 。なので鼻呼吸の方が無難です。

以上が坐禅(瞑想)の基本です。
かなり懐疑的な人も是非やってみてください。
坐禅(瞑想)の効果なんてないと疑っている人であればあるほど、きっと効果が出るに違いありません。