老害と思われている人への禅語【閑古錐】

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老害と煙たがられるあなたへ

45歳を過ぎた頃から、役職定年も始まり、人によっては出向させられたり、ビジネスの最前線から離脱させられます。

周りからは「老害」扱いされ、周りの人から煙たがられる存在になっていきます。
もちろん、自分ではまだまだできるし、これから更に活躍できる自信もあります。しかし会社のシステム、世の中のシステムがそれを許してくれません。

老害と自覚させるために、「シニア社員制度研修」、別名「人生の総棚卸研修」を受けさせられ、益々老害と言う自覚を植え付けられ、どんどん自信と生きがいを削がれていきます。

今回は、そんな人のための禅語を紹介します。

禅語

閑古錐

よみ

かんこすい

意味

古くなって錆びて先が丸くなった道具箱の隅に眠っている錐のこと。
優れた禅者を讃える禅語として使われる。

ひとりごと

古くなった錐は新しいの鋭くとがった錐とは違って強い勢いはない。

とは言え、一寸の無駄な動きもしない熟練の使いやすさと、きれいな仕上がりの仕事はまだできる。

人間も同じこと。
若い頃のように自分のことばかりではなく、人のことも考えることのできるゆったりとした心持ちでなんにでも落ち着いて対応できる姿は、まさに古くなって先の丸くなった錐そのもの。

老害と言われても、何者も傷つけることなく、誰からも慕われる優しさがにじみ出る人間になることはできる。

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この記事を書いた人

臨済宗の禅僧です。宗門大学の博士後期課程(仏教学)修了。
檀家制度(お布施)に頼ることなく、"衣を脱いだ禅僧"として生きています。「しんどい、つらい、苦しい」といった心が、少しでも楽になるような仏教の知恵を発信しています。

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