つい魔が差してしまう人のための禅語【諸悪莫作】

今日は禅語というよりも、僧堂(禅の修行道場)で読まれる「七仏通戒偈」に出てくる「諸悪莫作」という言葉の紹介です。(もちろん、他の宗派でも読まれます。)

諸悪莫作(しょあくまくさ)とは、読んで字の如く、「諸々の悪い行いはしてはならない」という意味です。

ごみのポイ捨て、人の悪口や陰口を言う、仕事をさぼる等、いつもどこでも誰でも、楽な方に楽な方にとつい誘惑されてしまうのは、人間であれば当たり前であり、また弱さでもあります。

「他の人もやってるから、自分だってやったっていい」という考えは、弱い自分の表れです。他人がやっているからといって自分の悪い言動を正当化することはできません。

「他人がやってるからって…ダメでしょ」、これは小学生でもわかることです。ただ小学生が分ることを実践できるのかと言うとそれは別の話。そういう大人を見て育つ子どもも、またダメな大人になる、という悪循環…

なぜかこどもは親の悪いところばかり真似します。何も教えていないのに、子どもは本当に親や先生など大人のことをよく見ています。

諸悪莫作は、人間の永遠の宿題です。

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この記事を書いた人

臨済宗の禅僧です。宗門大学の博士後期課程(仏教学)修了。
檀家制度(お布施)に頼ることなく、"衣を脱いだ禅僧"として生きています。「しんどい、つらい、苦しい」といった心が、少しでも楽になるような仏教の知恵を発信しています。

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