いつも三日坊主で自己嫌悪

禅のちょっといい噺

なぜいつも三日坊主?

資格勉強やダイエットなど、何か目標を立て頑張り始めても三日坊主に終わる人って、たくさんいます。

なぜ、何度チャレンジしてもすぐに挫折してしまうのでしょうか。そんな弱い自分が嫌になることもあります。

今回は、そんな人のためのエピソードを紹介します。

退路を断つ

ある農村に一人の農夫がいました。彼は畑を耕して野菜を作って生計を立てていました。
ある日、彼は思い立って出家し、修行僧となりました。しかし、あまりの大変さに修行から逃げ出し、農夫に戻ってしまいました。

その後、彼は再び出家しましたが、やはり修行がつらくて逃げ出してしまいました。そんなことを六度も繰り返し、七度目の時にこう考えました。
「どうして私はだめなのだろう?そうだ!修行が続かないのは鍬(くわ)があるからだ!」

そして、思い切って大切な鍬を大きな川に投げ捨てると、喜んで「弱い自分に勝った!」と大声で叫びました。
そこに、戦帰りの王さまが通りかかって農夫に聞きました。
「いったい何がそんなに嬉しいのだ?勝ったとはどういうことだ?」

農夫は王さまに答えました。
「私は自分の弱い心に勝ったのです。それは他の何よりも勝つことがむずかしかったので嬉しくてたまらないのです」

王さまも家来たちも「なるほど、そうか!それこそ本当の勝ちというものだ!」と言って、農夫に続いて出家してしまいました。

挫折する人の共通点

何度もチャレンジに失敗する人の共通点は、常にいざの時のために「逃げ道」を確保しているということなんですね。

ダイエットするためには、家のなかにお菓子やビールを一切置かない。
資格勉強なら、スマホ、TV、友達の付き合いを全て絶つ。

「退路を断つ」という強い意志があると、大体のことは成し遂げることができます。