禅のマインドフルネス
1 禅のマインドフルネスは「何のため」?
禅のマインドフルネスを実践するにあたって、一つ確認しておきましょう。
それは、「何のため」にやるのか、ということです。
マインドフルネスな状態になると、その前と後では明らかに「人生が良くなる」といった最終ゴールのイメージを持ち続けることが大切です。
具体的には、このようなゴールです。
-
あなたの心身のストレスと疲れが癒される
- ・それによって、日々のパフォーマンスが向上する
こうなるために、禅のマインドフルネスを実践するのです。
「人生が良くなる」ということは、人間関係が良くなるということです。
そのためには自分自身の感情と他人の感情をしっかりと観察し、状況によって自分の考え、発言、行動を判断する能力が必要になります。
2 苦しい原因は心、それに気がつくのが禅のマインドフルネス
私たちがいつもストレスや心の疲れを感じるのは、心が原因です。
ですから心の扱い方が上手くなって、ストレスに打ち負かされないような自分になれば、多くの問題は解決されるでしょう。
禅は心の問題を扱い、解決方法を教えてくれます。その方法が坐禅・瞑想です。
心は、さまざまな感情を整理しコントロールできる力が本来、誰にでも備わっています。
禅が2500年前から皆さんに訴えいるのは、一言で言えばこれに尽きます。
江戸時代に活躍した白隠禅師は、これを人々に伝えるために『坐禅和讃』という日本語のお経を作りました。
『坐禅和讃』の第一声が、「衆生本来仏なり」
そして最後の一言も、「この身、即ち仏なり」
となっているのは、誰もが安らかな心になれる力が備わっていることを、皆さんに伝えるためです。
心をコントロールするスキル、マインドフルネスになるスキルは、誰にでも備わっています。
しかし、私たちはそのスキルを忘れてしまっています。脳の隅に追いやり、全く使おうとしません。
でも安心してください。その忘れられたマインドフルネスのスキルはトレーニングによって呼び戻すことができます。トレーニングによって、あなたは心をコントロールでき、その結果、人生も改善されていきます 。
3 禅のフルマインドネスによる3つのスキル
禅のマインドフルネスは、3つのスキルから構成されます。
1 自分の内(心)に向かって意識を集中するスキル
ストレスや疲れで心と身体のバランスがばらばらになってしまった自分自身を最適化するためには、まずは自分の内に向かって意識を集中することが必要です。
2 自分のストレスや疲れを理解し、自分をコントロールするスキル
自分の内に向かって意識を集中した後は、自分のストレスや疲れが何処から来ているか、その時の自分の感情を理解し、自分をコントロールすることが大切です。自分を客観視できれば、ストレスと疲れの原因がわかって、対処方法を考えることができます。
3 身心を楽にできるスキル
自分をコントロールする力が備われば、その方法を習慣化することで、今後、心身が傷ついたときでも、自分の状態を冷静に客観視し、リカバーできるようになります。
自分に対して優しくする時と同様に、他人の気持ちも理解し、優しくなれることが習慣化されると、人に対する嫌悪感や苦手意識が和らぎます。そして今まで築けなかった人間関係が作れます。
4 苦しみを開放する禅のマインドフルネス
以上の3つのスキルが身につけば、心の不安定によるストレスや疲れ、そして苦しい・悲しい感情から解放されます。
禅のマインドフルネスによって得られるものは次のとおりです。
1 今の自分の心の状態を理解できるよになる
自分の内面、心の叫びを知ることができる
2 乱れた心をコントロールできるようになる
自分の内面の状態、衝動をコントロールすることができる
3 モチベーションを上げることができるようになる
目標達成の助けになるポジティブな気持ちになれる
4 共感す力
他人の気持ち 欲求、関心を先入観なしに理解できるようになる
このようになると、自分に自信が生まれて主体的になり、ひいては職場でのリーダーシップが芽生え、高い達成目標を掲げて前向きに仕事に取り組む姿勢も生まれます。
「どのような状態の時に心がどのように機能するか」、自分のことを良く理解しながら、心の浮き沈みをコントロールし、人生が上向きなるのが、禅のマインドフルネスによってもたらされるメリットです。
5 誰でも幸せになれる禅のマインドフルネス
禅のマインドフルネスは、 幸せになるためにするものです。
幸せになるためには、心の悩みを取り除く必要があります。
ほとんどの悩みは自分が勝手に思い込んでいるマイナスのイメージでしかありません。
客観的に見れば、抱えている悩みは他の人にとっては悩み事でもなんでもなく、自分の心が勝手に思い込んでいることです。
周りの環境や評価は、自分の力では変えることは出来ません。
しかし自分のことを客観的に見て、自分を変ることは今すぐできます。 そうした方が心にとって健康的ですし、楽に生きることができます。
その自分を変える方法が禅のマインドフルネスです。
禅のマインドフルネスによってもたらさせる心のやすらぎは 、自分自身のことを客観的に見ることがその第一歩です。
ではどうしたらマインドフルネスの状態になれるのか。
その方法が呼吸を変えるということです。
様々な科学的な実証実験から、呼吸を穏やかにすることによって集中力を高めたり自分の心をコントロールすることができるようになったり、マイナス思考がポジティブ思考に変わったりすることが分かってきています。
アメリカのイエール大学、ハーバード大学、MIT大学をはじめとした世界の研究者たちによる実験結果からも、呼吸は心を穏やかにする一因であることもわかっています。
https://www.frontiersin.org/articles/10.3389/fpsyt.2020.00590/full
https://news.mit.edu/2011/meditation-0505
私の経験上、ゆっくりと呼吸をすると、体のこわばりや緊張が解けて、身心がリラックスします。
ゆっくりした呼吸とは、どのくらいの速さでしょうか。
坐禅・瞑想が初心者の方であれば、1分間に5回程度の呼吸が一つの目安となります。
さあ、心に悩みを抱えている方、是非、禅のマインドフルネスをトライしてみたらいかがでしょうか。
具体的な禅のマインドフルネスの実践方法はこちら👇
https://bit.ly/3psOSLK