禅の研究– category –
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禅の研究
禅批判ー社会が求める禅のかたち
1 禅はわかりずらい 禅を批判する人のなかには、「絶対無」「絶対自由」といった一般の人々がわかりづらい言葉による説明や禅にみられる逆説的な言い回しに、抵抗を感じる人も少なくありません。 例えば、禅研究者の第一人者とされる鈴木大拙や禅に大き... -
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公案とは何か? その1
1 看話禅とは 公案を修行の手段とする禅を「看話禅」と言います。 看話禅では、修行者が悟境に至るために古人の話頭を看る(参究する)ことを通じて、祖師の面目を体験することを重んじます。 古則話頭の内容に縛られ、単に悟境の体験を文字や話だけから... -
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自己確立の方法
1 禅の第一義 自分は、何のために生まれてきたのか? 自分とは何か? こうした疑問は、禅の第一義です。 なので、禅とは何かと問われれば、一言でいうと「己事究明」となります。 なので、自分の事をしっかりと知ること、「己事究明」、これが禅です。 ... -
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白隠禅師の『辺鄙以知吾』
1 政治家の資質とは 私たちは、「昨日より今日、今日より明日」と毎日が少しずつ良くなることを願って、一生懸命に生きています。 そんな、私たちの生活を良くするために選ばれて働いているのが、政治家です。 政治家は、国民の生活をよくするために、国... -
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禅の言語化
1 禅は言葉で説明できない 禅宗には特定の経典や教学に拠った教えはありません。 それは、「不立文字」「教外別伝」「直指人心」「見性成仏」という禅の特徴を表す四つの句からも明らかです。 禅の第一義は、経典や教えに頼ることなく(不立文字)、説か... -
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禅宗の経典 4
1 般若の知恵で仏性を自覚する 禅の経典観1~3までの考察から、『金剛経』にみる禅宗の経典観とは、経典そのものを単に有り難く事物として理解するのではなく、自分自身が生まれ持った仏性を「文字般若」「実相般若」「観照般若」の三つの般若の智慧で... -
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禅宗の経典 3
1 「金剛経軽賤」から読み取る禅宗の経典観 禅宗の経典観1および2で考察した『金剛経』と禅宗の関係そして『金剛経』の教えとその特徴をふまえて、具体的に『碧巌録』「金剛経軽賤」のなかで使われている「此の経」という言葉の意味を明確にしながら、... -
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禅宗の経典 2
1 禅宗による『金剛経』の理解 『金剛経』で述べられている、「此の経故(もと)より能く無量劫来(むりょうごうらい)の罪業を消して、重を転じて軽と成し、軽を転じて受けざらしめ、復た仏果(ぶっか)菩提を得せしむ」(『碧巌録』(下)入矢義高・溝口... -
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禅宗の経典 1
1 禅宗には経典がない 禅宗は所依の経典を持たない。 仏陀一代経を五時八教と時代区分したなかから、例えば天台宗は、天台大師智顗(五三八~五九七)は『法華経』を仏陀の教えの中で最も円熟した経典であるとし、浄土宗は曇鸞大師(四七六~五四二)に...
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